『八王子の月見草』 第40草[2008年07月04日]
「はい。」 「あっ、友和か?」 「なんだよ?おふくろ?」 「ちょっとね・・・ まぁ心配はないんだろうけど、お父さんがね・・・」 「なに?親父がどうした?」 「うん・・・ちょっと具合が悪いみたいなの・・・」 「えっ!?どんな風に?」 「大した事はないと思うんですけど、入院したのよ。 「えっ?何だよ!その時に知らせろよ!」 「うん、心配かけたくなかったのよ。 「まぁ、それはそうだけど、大丈夫なのか?」 「しばらくは検査入院だって・・・ でも、安静にしていなきゃだめみたいね。 「あっそうか・・・ありがとう・・・・」 「じゃ、またね。 「うん、じゃ・・」 トモリーヌが電話を切った。 『あんなに元気だった親父が・・・』 トモリーヌは昔を思い出していた。 『よく遊んでもらったな・・・』 すると、もう一度、電話が鳴った。 トモリーヌの妹からだっだ。 「あっ、にーに?」 「おう!」 「お母さんから、電話あったでしょ? たぶん、電話したのはにーににこっちに 戻ってきてもらいたかったからだと思うよ。 でも、バンドが波にのっている時だからって、 気使って、そんな事は言えなかった。 私もお母さんも心配なの。 お母さん、あれでけっこうショックを受けているみたいだし・・・」 トモリーヌは少し黙っていた。 「うん・・・そうだな・・・ でも、こっちもやらなければいけない事がたくさんあるし、 仲間もいる。みんな迷惑かけたくないんだ・・・」 「でも、もう年なんだよ。お父さんもお母さんも。」 「わかってる・・・」 「じゃあ、こっちに戻ってきてよ!家族でしょ!」 『家族』 その言葉がトモリーヌの心に響いた。 「にーに!考えておいてね!」 そう言って妹は電話を切った。 人一倍、家族思いのトモリーヌは本当に悩んでいた。 イブプロか、家族か・・・
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2008年07月





