『八王子の月見草』 第39草[2008年06月19日]
マドリーヌはスタジオのある事務所の扉を開いた。 そう、葵と同じ日にマドリーヌも初めてのリハーサルだった。 事務所の名前は、 『明美プロダクション』 「おはよう!マドリーヌ」 それはマドリーヌをスカウトした小森だった。 「さすがね、マドリーヌ。約束の30分前に来るなんて。」 明美プロダクションの社長『田下明美』だった。 「さっそく、歌を聞かせてもらいたいわ。いいわねマドリーヌ?」 「はい、大丈夫です!」 ・・・明美プロダクション・・・ 今売り出し中のアーティスト『古藤克也』が在籍していた。 すると、その古藤克也が事務所に入ってきた。 「君がうわさのマドリーヌかい? ふーん、うわさどおり綺麗だね♪」 「あっ!古藤・・・さん!おはようございます!」 古藤のいまどきのイケメンだった。 「早く歌を聴きたいなー。 歌ってよー!明美さん!早く歌わせてー!」 「わかったわ・・・さっ、マドリーヌ、スタジオに移動しましょ! この前渡しておいたデモの曲、さっそくだけど試してみて。」 「はい。」 その曲は”Evening Primrose”の曲とは 全然違う明るくてポップな感じの曲だった。 ・・・マドリーヌが歌い終わると、明美が、 「はい、さすがに良いわね。 でも、ちょっと心がこもっていない気がするわ。 ひょっとして、まだイブプロを引きずっている?」 「そんなことないです・・・ただ・・・」 「ただ・・何?」 「今まで歌っていた曲と あまりにもかけ離れているから、 少し戸惑っています。」 「そう?プロならどんな曲でも歌い上げなさい! あなたはもう明美プロダクションのマドリーヌなんだから! もうイブプロの『マドリーヌ』ではないのよ! あーそうねー、名前変えましょうか!?」 そこに古藤が口をはさんできた。 「改名するのはもったいないなー 『マドリーヌ』いい名前じゃない? せっかく定着してるのにねー」 「わっ、わかったわ・・・じゃ少し考えとくわ。 古藤くんのいうとおりかも・・・」 そこでマドリーヌが言った。 「『マドリーヌ』って名前・・・変えていいですよ・・・ いつまでも過去を引きずっていられないし・・・」 「そう?じゃ、またその件はまた後でね。」 マドリーヌは少し悲しそうな表情でうなづいた。
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2008年06月





