『八王子の月見草』 第34草[2007年06月01日]
第34草 ”愛しのマドリーヌ”
そして、その日は来た。
”Evening Primrose”のボーカルとして、
マドリーヌが歌う最後の日が来た。
当日のリハーサルが終わり、
マドリーヌがみんなに言った。
「みんなっ!今日までありがとな!
本番は最高のステージにしようぜ!」
「おーーーーっ!!」
そして、本番が始まる少し前、楽屋に葵が訪ねてきた。
「おはよーございます!」
「あっ!葵ちゃん!良く来てくれたね!」
そう真っ先に言ったのはトモリーヌである。
「みなさん、今日も頑張って下さいね!」
すると、マドリーヌが、
「言われなくも気合十分だよ!
よく見ておきなよ、私のイブプロ最後のステージ。
頭に焼き付けて置くんだよ。」
「はい!楽しみにしてます!愛しのマドリーヌ様!」
「おいおい、なんだよーその愛しのって・・」
「たぶん、こんなこと言えるのも最後になると思うんで、
だって私がイブプロに入れば、ライバルじゃないですかー?」
「ははっ!ライバル!?まだまだ早いよ!
でもよく言った!葵!
私も楽しみにしてるよ!はやく上ってきてくれよ!」
「はい!ありがとうございます!」
そして、”Evening Primrose”のステージが始まろうとしていた。
急にBGMがなくなり一瞬シーンとなった。
すると突然SEが流れ始めた。
叙情的なノリの良い曲でマドリーヌの作った曲である。
マドリーヌの最後の花道を飾るに相応しい曲である。
ステージいっぱいにかかっている緞帳には
”Evening Primrose”の意味でもある
『月見草』の絵が描かれてある。

すると突然、SEが終わり、
緞帳がパッとなくなり、目つぶしが光った!
フロントの3人が逆光に照れされ黒いシルエットになっている。
一曲目から、爽快なリズム叙情的なメロディーで、
これぞ”Evening Primrose”といえる名曲であった。
「キャーーーーー!!!マドリーヌッーーー!!!」
観客も大盛り上がりでギュウギュウ詰めで
波を打っている感じの状態であった。
早くも一曲目が終わり、
続いてもまた”Evening Primrose”らしい曲であった。
葵はいつもなら一緒に盛り上がっている。
でも、今は後ろの方でおとなしく足でリズムを刻みながら、
歌を口ずさんでいるだけだった。
『今度は私があの場所に行くんだ・・・』
葵は心の中でそう思うと、妙な緊張感と不安感、
それと同時に期待感がに溢れ出ていた。
つづく・・・
『八王子の月見草』はフィクションであり、物語に登場する人物、団体、場所等は実際のものとは一切関係ありません。
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次回予告
葵の心の奥には
いったい何が詰まっているのか!?
次回の『八王子の月見草』は・・・
”終演”
お楽しみに!
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『八王子の月見草』 バックナンバー
第1草 『倉橋という男』
第2草 『次の店』
第3草 『深い事情』
第4草 『楽しい日々』
第5草 『美味しい料理』
第6草 『プレゼント』
第7草 『謎の女』
第8草 『傷』
第9草 『過去』
第10草 『煙草』
第11草 『約束』
第12草 『永遠に』
第13草 『顔色』
第14草 『リザローブ』
第15草 『アフター』
第16草 『衝撃』
第17草 『告白』
第18草 『転機』
第19草 『旅立ち』
第20草 『面接』
第21草 『新たなる序章』
第22草 『想像』
第23草 『もう一人の月見草』
第24草 『驚きの連続』
第25草 『緊張』
第26草 『楽屋前』
第27草 『以外な告白』
第28草 『驚きの真実』
第29草 『オーディション』
第30草 『鼓動』
第31草 『迷い』
第32草 『決心』
第33草 『再会』





