『八王子の月見草』 第23草[2007年02月23日]
第23草 ”もう一人の月見草”
「こっ!ここは!?」
「へへぇ~。八王子ルージュ!ライブハウスだよ♪」
「えっ?葵ちゃんバンドに興味あるの?」
「ま~ね~。早く早く!」
そういうと葵は倉橋を強引に中に引き入れた。
受付の無愛想な女性からチケットを買い、
向こう側には爆音が流れているドアを開けた。
「!!!!!!!うわ~ギリギリ間に合った!!」
「えっ?何?」
大声を出さなきゃ聞こえないほどの大音量で演奏していた。
「この!次の!バンドが!
私の!お気に入りの!バンドなの!」
「うっ!そうなんだ!間に合って!良かった!ね!!」
『ジャーン!!』
しばらくすると、
葵のお目当てのバンドの前のバンドの演奏が終わった。
倉橋は驚いたように葵に言った。
「葵ちゃん、いつもこういうとこ来てるの?」
「こういうとこって、偏見~!」
「あっ!ごめん、ごめん。
でも驚いたな~葵ちゃんがバンド好きだったなんて~」
「うん。私の好きなバンドは超かっこいいんだ!
今はそんなにだけど、絶対に売れるよ!
見れば倉橋さんも絶対に気に入るよ!」
ようやく葵のお気に入りのバンドの準備が終わったみたいで、
いよいよ始まろうとしていた。
「SEもかっこいいんだ~
今にもはじまる~って感じで、鳥肌もんだよ~」
「SEって何?」
「バンドのオープニングで流す曲だよ!」
「じゃー『出ばやし』だ~。あっ、ちがうか!ごめん、ごめん。」
「も~倉橋さん!つまんないです!」
すると、SEが流れ始めた。
最初は静かに流れていたが、徐々に音が大きくなっていく。
「も~たまんないでしょ!?」
「う~ん、いまいち分んないな~」
そして、
緞帳(どんちょう)がバサッとなくなり、そのバンドが演奏を始めた。
ハードなロックで痛快なメロディーが爆音で流れ始める。
「キャー!!!!!!」
葵が悲鳴をあげた。もちろん、他のファンたちも興奮しており、
最初から勢いがある曲で、バンドもファンも狂喜乱舞状態だった。
その中で、倉橋は棒立ちであり、手拍子がやっとのことだった。
一曲目が終わり、ヴォーカルのマドリーヌがバンド名を叫んだ。
「We are ”Evening Primrose” !!」
つづく・・・
『八王子の月見草』はフィクションであり、物語に登場する人物、団体、場所等は実際のものとは一切関係ありません。
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次回予告
ついに新展開か!?
葵と倉橋どうなってしまうのか!?
次回の『八王子の月見草』は・・・
”驚きの連続”
お楽しみに!
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『八王子の月見草』 バックナンバー
第1草 『倉橋という男』
第2草 『次の店』
第3草 『深い事情』
第4草 『楽しい日々』
第5草 『美味しい料理』
第6草 『プレゼント』
第7草 『謎の女』
第8草 『傷』
第9草 『過去』
第10草 『煙草』
第11草 『約束』
第12草 『永遠に』
第13草 『顔色』
第14草 『リザローブ』
第15草 『アフター』
第16草 『衝撃』
第17草 『告白』
第18草 『転機』
第19草 『旅立ち』
第20草 『面接』
第21章 『新たなる序章』
第22章 『想像』





